登攀チーム ひも野郎

傾山二つ坊主南壁を登るために集まった変わり者たちの記録

比叡山 観音クラック

比叡山 観音クラック 2021年3月21日

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比叡山千畳敷下のトンネルを過ぎ、左を見る。観音様とも、モアイとも取れるチョックストーンがハマった、見るからにワイルドなクラックが千畳敷の展望所へと突き上げている。

決してメジャーでは無いが、初登は近代フリーのレジェンド池田功氏。そして、杉野保さんもロクスノでDIG it として取り上げた知る人ぞ知る名ルートである。

 

その存在は以前より知っていた。しかし、見た目のワイルドさに威圧され、なかなか取り付けなかった。それが今日はなんだか行ける気がして、取り付いてみることを決心した。

 

 

1P目はアプローチピッチということで、少々ナメてかかっていたのだが、苔と浮石、妙にバランシーなトラバースと、マジメにムーブを考えさせられる。
ただトラバース部分は綺麗なボルトも整備されていて、ありがたい。
ビレイステーションはクラックの真下がいいか、落石を避ける右のテラスがいいか、しばらく悩んだが、丁度良い立木もあったので、右のテラスとした。

 

2P目からがメインパートとなる。出だし7m程のワイドは4〜6番のサイズ。ただ、内部はホールドが豊富で、露骨なワイド登りは要求されない。しかし被っているので、威圧感はある。

ワイドが途切れ、左のコーナーに移る。ジャムも利くし、ホールドも豊富なのだが、ワイドから飛び出す時は勇気がいる。

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コーナーを詰めたら、核心のチョックストーン、観音様の頭をのっこす。

 

最後はバックアンドフットから三度チョックストーンを乗り越すと、薄暗いワイドから明るい千畳敷へと飛び出す。

 

覚悟していた、苔も泥もほとんど無く、気持ちよく登ることができた。一ピッチ目のボルトといい、どうやら、最近整備してくれていたようだ。

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爽快なクライミングとは対局にある渋いルートなのだが、威圧感、登りごたえ、突破後の開放感など、味のある内容であった。

擦り傷だらけになりながらフォローしてくれたパートナーに大感謝!ありがとうございました!